雨の日や雪の日、風が強い日の工事現場や道路工事。
視界が悪く、足元も滑りやすくなるこうした天候では、いつも以上に交通事故のリスクが高まります。
ドライバーにとっては「前が見えにくい」「標識に気づきにくい」「急な誘導が怖い」と感じやすい状況ですし、警備員側も「合図が伝わらない」「声が届かない」「立っているだけで体力を消耗する」といった難しさがあります。
この記事では、雨・雪・強風という悪天候の中でも事故を防ぐために、交通誘導警備ができる工夫やポイントを、できるだけわかりやすく解説します。
現場で働く方はもちろん、建設会社や発注担当者、ドライバーの方にも役立つ内容です。
なぜ悪天候時は事故が起きやすいのか
まずは、なぜ雨・雪・強風のときに事故が増えやすいのか、その理由を整理してみましょう。
視界が悪くなり、情報が伝わりにくい
雨や雪が降ると、フロントガラスが濡れたり曇ったりして、ドライバーの視界が大きく悪くなります。
夜間であれば、街灯や工事照明の光が反射して、さらに見えにくくなることもあります。
その結果、
「警備員が立っていることに気づくのが遅れる」
「進行方向の案内が読み取りづらい」
といったことが起こりやすくなります。
路面が滑りやすく、止まりにくい
雨や雪の日はブレーキを踏んでも止まりにくく、ハンドル操作も不安定になりがちです。
特に雪道や凍結路では、低速でもスリップする危険があります。
この状態で急な誘導や直前での停止指示が出ると、ドライバーが対応しきれず、追突事故や接触事故につながることがあります。
風で資材や備品が動き、現場が乱れやすい
強風時には、カラーコーンや看板、養生シートなどが倒れたり飛ばされたりすることがあります。
それによって通行帯が分かりづらくなったり、思わぬ障害物が道路上に現れたりするリスクが高まります。
このように、**悪天候時は「見えにくい」「止まりにくい」「現場が乱れやすい」**という三重の危険が重なりやすいのです。
雨天時の交通誘導で事故を防ぐポイント

まずは、最も頻度が高い「雨の日」の交通誘導について見ていきましょう。
見えやすさを最優先にした服装・装備
雨の日は特に、警備員がどこにいるのか分かりづらくなります。
そのため、反射材付きのベストやレインウェア、明るい色の装備を着用することが重要です。
また、誘導灯やライトも、雨に強いタイプで明るさのあるものを使用すると、ドライバーの視認性が大きく向上します。
「遠くからでも警備員の存在がわかる」
この状態をつくることが、事故防止の第一歩です。
合図は“いつもより早め・大きめ”に
雨の日は、ドライバーの注意が路面や周囲の状況に分散しがちです。
そのため、誘導の合図は通常よりも早めに、はっきりと出すことが大切です。
たとえば、
「止まってほしい位置の手前でしっかり合図を出す」
「進行方向を示す際は、腕を大きく動かす」
といった工夫だけでも、ドライバーの理解度は大きく変わります。
滑りやすい足元への配慮
警備員自身も、雨の日は足元が滑りやすくなります。
転倒すれば自身のケガだけでなく、誘導が乱れて事故につながる可能性もあります。
滑りにくい靴を履く、足場の悪い場所には無理に立たないなど、自分の安全確保がそのまま現場全体の安全につながるという意識が重要です。
雪の日の交通誘導で特に注意すべきこと

次に、事故リスクがさらに高まる「雪の日」の交通誘導について見ていきます。
ドライバーは「止まりたくても止まれない」
雪道では、ブレーキを踏んでも思ったように止まれないケースが多くあります。
特に下り坂や交差点付近では、低速でもスリップが起きやすくなります。
そのため、
「止まれ」の合図はかなり手前から出す
「減速してください」のジェスチャーを大きく示す
など、ドライバーが余裕を持って操作できるような誘導が欠かせません。
除雪状況や路面状態をよく観察する
雪の日は、路面の状態が場所によって大きく異なります。
アスファルトが見えている場所もあれば、圧雪や凍結している場所もあります。
警備員は現場を歩いて確認し、
「どこが特に滑りやすいか」
「どこで減速を強めに促すべきか」
を把握したうえで誘導を行うことが重要です。
見通しの悪さを前提にした配置を意識する
降雪中は、ドライバーの視界が極端に悪くなることがあります。
そのため、通常よりも警備員同士の間隔を短くする、
カーブの手前など見えにくい場所には補助員を配置するなど、配置面での工夫も効果的です。
強風時の交通誘導で事故を防ぐ工夫
次は、意外と見落とされがちな「強風時」の交通誘導です。
看板・コーン・資材の固定を徹底する
強風時は、カラーコーンや看板、仮囲いのシートなどが倒れたり飛ばされたりしやすくなります。
これが車道に飛び出すと、急ブレーキや急ハンドルの原因となり、大事故につながる恐れがあります。
そのため、
・重りをつける
・ロープで固定する
・風を受けにくい配置に変更する
といった対策を事前に行うことが大切です。
風音で声が届かない前提で誘導する
強風時は、声かけによる誘導がほとんど聞こえない場合があります。
そのため、視覚的な合図を中心にした誘導が基本になります。
腕の動き、誘導灯の振り方、立ち位置などを工夫し、
「言葉がなくても進行方向が伝わる状態」をつくることが重要です。
自分自身のバランスにも注意する
強風で体が煽られると、警備員自身がふらついて転倒する危険もあります。
転倒すれば、現場が一時的に無誘導状態になり、事故のリスクが高まります。
足元の安定した場所に立つ、無理に前へ出ないなど、無事故で立ち続けること自体が安全対策になります。
悪天候時こそ重要な「事前打ち合わせ」と「情報共有」
雨・雪・風といった天候は、当日にならないと正確には読めないことも多いものです。
だからこそ、事前の打ち合わせと現場での情報共有が、通常時以上に重要になります。
天候悪化を想定した配置と動線の確認
作業開始前のミーティングでは、
「雨が強くなった場合どうするか」
「雪が積もったら誘導位置をどう変えるか」
「風が強くなったらどの備品を撤去するか」
といった“もしも”の対応をあらかじめ話し合っておくと、現場での混乱を防ぐことができます。
状況変化はすぐに全員で共有する
天候は刻々と変わります。
雨が急に強くなった、風向きが変わった、路面が凍ってきた――こうした変化は、すぐに現場全体で共有することが大切です。
無線や声かけを活用し、
「ここが特に滑りやすい」
「視界がかなり悪くなっている」
といった情報をリアルタイムで伝えることで、現場全体の安全レベルを引き上げることができます。
ドライバー目線で考える「安心できる誘導」とは
悪天候時の交通誘導では、ドライバーの気持ちを想像することがとても重要です。
雨や雪、強風の中で運転していると、多くのドライバーはすでに緊張しています。
そこに、
・合図が遅い
・誘導が曖昧
・どこを通ればいいのかわからない
といった状況が重なると、焦りや不安が強まり、ミスが起こりやすくなります。
逆に、
「遠くからでも警備員が見える」
「次にどうすればいいかがすぐ分かる」
「落ち着いた動きで誘導してくれる」
こうした状態であれば、ドライバーは安心して指示に従いやすくなります。
安心感は、そのまま事故防止につながる。
これが、悪天候時の交通誘導で最も大切な考え方です。
建設会社・発注者側ができる安全対策
悪天候時の安全は、警備員だけに任せるものではありません。
建設会社や発注者側にも、できる対策はたくさんあります。
天候に応じた警備配置と人員確保
雨や雪の日は、通常よりも誘導が難しくなります。
そのため、警備員の人数を増やす、補助員を配置するなど、余裕のある体制づくりが事故防止につながります。
明るさ・見やすさを意識した現場づくり
夜間や悪天候時は、照明の配置や看板の見やすさも重要です。
暗くて見えづらい現場では、どれだけ丁寧な誘導をしてもドライバーに伝わりにくくなります。
「見やすい現場は、誘導しやすい現場」
この意識で環境整備を進めることが大切です。
無理な工程を組まない
「多少の雨でも工期を優先したい」と思う場面もあるかもしれません。
しかし、悪天候時の無理な作業や強行スケジュールは、事故リスクを大きく高めます。
安全を最優先に考え、必要に応じて工程を見直す判断が、結果的に大きなトラブルを防ぐことにつながります。
まとめ|悪天候時こそ“丁寧な誘導”が命を守る
雨・雪・強風といった悪天候は、交通誘導にとって避けられない課題です。
しかし、だからといって事故が必ず起きるわけではありません。
・見えやすさを最優先にする
・合図は早め・大きめ・わかりやすく
・ドライバーの立場に立って考える
・現場全体で情報を共有する
こうした基本を一つひとつ丁寧に積み重ねることで、悪天候時でも事故のリスクを大きく下げることができます。
特に重要なのは、「急がせない」「迷わせない」「不安にさせない」誘導です。
ドライバーが落ち着いて行動できる環境をつくることこそが、交通誘導警備の本当の役割と言えるでしょう。
悪天候の中でも、安全に、安心して通行できる道路を守る。
そのために、今日からできる工夫を一つずつ現場に取り入れていきましょう。
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